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ノラ

ボクはノラネコ｡
名前の無い どこにでもいる
普通のノラネコ。
薄い茶色に混じった焦げ茶｡
今日も ぶらり旅。
今日はこの道 真っ直ぐに
行ってみよう
何があるかな？
何を見つけられるかな？
とぼとぼ ただ歩く。
昨日はたくさんの人間に
出逢い、可愛がられた。
今日もたくさんの人間に
出逢い、優しくしてもらえる
かな？
冷たい人間は嫌い。
ボク達ノラネコに脅したり
ゴミ投げつけたり 蹴ったり
邪魔物みたいに扱うだけ
そっとしておいてくれた方が
まだマシだ。
優しい人間は好き。
心許せる｡
ボク達ノラネコにも頭撫でて
笑顔で話しかけてくれる
世の中の人間全てに｢優しさ｣
があればいいのに
冷たい人間はどうして
｢優しさ｣が持てないの？
世の中の人間がみんな みんな
いい人だったらいいのに
どうしてこの街中はこんなに
汚れてしまったの？
ゴミは散らばり 植物は枯れ
空気はどんより｡暗い街…
怖い目つき 心を失った人々。

ボク達 ノラネコ。
どんなに 突き刺さるような
冷たい視線を浴びても

今日もまた 旅にでる。

途方に暮れたりなどしない
ただ出会した道を歩くだけ
今日は どんな人に逢えるかな
｢ニャァアーオ｡｣
これしか言えないボク等。

どんなにノラの運命でも
嫌なことだけじゃなくて
良いことだってある

自由に ぶらり歩けること
自由に どこまでも行けること
何にも縛られず
好きなように生きていける
好きな時に丸くなって眠れる

ぶらり歩く河川敷の土手
綺麗な夕陽を毎日 見れる
朝焼け空も青空も
夕焼け空も星空も独り占めできる

今日もまたたくさんの
｢素敵なもの｣見つけるために
ボクは歩き続ける...