闇音
出会い

1

いつもと同じ騒がしい教室


ちゃんと、静かに授業を
聞いてる人、ふざけてける人
様々な人がいるなかで俺は
ある人だけを見ていた。

彼女の名前は美香
山中美香だ
そんなに目立つ子ではない
どっちかと言えば地味なほうだ
喋ってるのを聞いたことがない
話しかけてもひたすら無視
いつもそんな感じだから彼女に
近づく人は誰もいなかった

でも、俺は彼女のなんでも
見えてるかのような大きくて
澄んだ目、ストレートで
肩よりちょっとだけ長い
つやつやした髪、俺にとっては
すべてが魅力的だ

どうにかして、彼女と
仲良くなりたい

だけど、彼女は人には興味を
示さないし話もしない

考えた俺は彼女が話さなくても
いいようにアドレスを渡すことにした



「あのさ…俺、啓二!!
よろしくね
これ俺のアドレス
なんだ。よかったらメールしてよ」

…こんなんでよかったかな!?
俺も話すのとかは得意じゃないからな

事前に紙に書いておいた
アドレスを渡した

彼女はそっと紙をとり
教科書に挟んだ


とりあえずは成功かな
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