闇音
啓二は目を開けると
そこは見渡す限り全部が
廃墟だった。

啓二は絶句した。
こんな光景TVやゲームでしか
見たことがない。

おまけに雪も降っている。

「…これ雪じゃねぇ」

美香が無表情で言う。
「それは雪ではなく灰。
この世界はずっと
降り続けてるの。」

「おい!
この世界ってなんだ!
さっきの強い光はなんだ!
家や学校はどうした!」

啓二はパニック状態だ。

美香は冷静にまた無表情で
こう言った。

「この世界とはあなたがいる
世界の憎しみでできた世界なの」
はぁ?

啓二はますますわけが
わからない様子。

無理もない。
突然そんな非現実的なことを
いわれても受け入れるはすがない

美香はこっちの世界には
人間はいないがそのかわり
人間の憎しみが灰となり
それを浴びた動物達が
姿を変えて邪悪な鬼に
なってると言う。

「…急にんなこと
いわれても…
じゃあ、なんで学校や家が
消えたんだ?」

「それは…」

美香は初めて悲しそうな顔をした

「時がきたら話すわ。
とりあえず今はあなたの
世界とあなたの世界の憎しみで
できた世界があるとだけ
覚えておいて。」

美香がそう言い終わると
さっきまで灰が降りあたりは
廃墟だった景色からいつも
見ていた景色に戻る。

「あれ!?ここは
俺の部屋じゃねーか。
いつの間に!これは夢か?」
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