がんばれ!ノザワくん
しばらくして、ヤミー主任が、

「タオルない?」

と、よねちゃんに聞いてくる。

「雑巾なら、あそこにあるぞ」

オーノ所長が、窓際に干してある雑巾を指差す。

「ノザワ課長が顔拭くのに、雑巾はヤバイでしょ~!」

「いや、あいつだったら、大丈夫だろ」

よねちゃんは、書庫の中から、いただきもののタオルを出してきた。

「これ、使ってもらってください」

その柄を見たオーノ所長、

「それ、いいな。俺も欲しいな」

と、よねちゃんにせがむ。

「所長が夏にもらって、『いらないから使ってくれ』って言ったやつですよ」

「え?そうだっけ?」

「よかったら、自宅で使ってください」

よねちゃんは、まだ包みに入ったままのタオルを、所長の机の上に置いた。
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