がんばれ!ノザワくん
ノザワくんは、ブツブツと独り言を言いながら、仕事をやっている。

「う~ん、検査で何か見つかって、入院することになった時の為に、引継ぎしておいた方がいいかな~」

…何を悩んでるんだか。

「そんなに心配するようなものが見つかるんですか?」

よねちゃんが聞くと、

「俺の先輩で、人間ドック行って腸にポリープ見つかって、それを切ったら血が止まらなくなって、1週間入院したって人がいるんだよ。俺もそうなったら困るから、来週やる仕事、ハットリさんとよねちゃんに引き継いでくよ」

と、ノザワくん。

「…いくらなんでも、大げさな」

「人生、何があるかわからないからね~」

そう言いながら、ノザワくんは、はとりんとよねちゃんにメールを転送しまくってる。

「大げさだな~」

オーノ所長も、ノザワくんの後ろから声をかけてきた。

「あ、所長も、俺がいなくても、きちんと取引先訪問行ってくださいね」

「あのな」

「代わりに、アーマ課長に頼みますよ」

「いや、1人でも大丈夫だっ」

ノザワくんは、オーノ所長の言うことそっちのけで、ひたすら引継ぎ用の書類を作っている。

…それだけ用意周到だったら、大丈夫じゃないのか?
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