がんばれ!ノザワくん
「ところで、腹減ったんだけど、何か食い物ないかな~」

オーノ所長がそう言うと、

「昨日、所長が差し入れしてくれた干し芋がありますよ」

と、よねちゃんが、ビニール袋に入った干し芋を出してきた。

「なんだ、干し芋か」

「こんなにたくさんあるんですよ。所長も食べてくださいよ」

「仕方ないな~」

…自分で差し入れしたくせに、何を言うか。

「じゃ、ノザワも食べろ」

オーノ所長が干し芋を差し出すけど、ノザワくんは、

「明日、人間ドックなんですけどね~」

と、あまり乗り気じゃないらしい。

「干し芋食べると、運気が上がるらしいぞ」

「え?そうなんですか?じゃ、俺も食べようかな」

…なんだそりゃ。

「干し芋って、消化遅いですけど、大丈夫なんですか?」

よねちゃんが聞くと、

「夜の8時か9時くらいまでは、食べてもいいんだってさ」

と、ノザワくん。

「お昼は消化のいいものがいいから、パン買ってこようっと」

…何か違う気がする。
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