がんばれ!ノザワくん
社長が来る前の日。

ノザワくんは、ここから高崎駅に向かう途中の、とある食事処に予約をした。

そこは、鶏肉中心のメニューが揃っていて、群馬でもけっこう名の売れた店なんだ。どうやら、ノザワくんは、この店をココモ群馬支店の総務課から聞いてきたらしい。

「料理、これにしたから」

ノザワくんが予約したのは、2500円くらいの、コース料理。

「え?これですか?」

よねちゃんは、「これ、多いですよ」と言っている。でも、ノザワくんは、「社長が来るんだから、このくらいじゃないと」と言って聞かない。…頑固なところがあるな、ノザワくんって。

で、なぜか、その会食によねちゃんも一緒に行くことになったんだ。

その話を、品質管理担当のカヨさんとしていて、

「え?よねちゃんも?」

と言われてた。

「いいじゃない、タダでそれだけいい料理食べられるんだから!後で報告してね」

…そういう問題なんだろうか。

「ところで、はとりんは?」

「明日休むそうですよ。用事があるそうで」

「…逃げたね」

うん、オイラもそう思う。

どうも、はとりんは、何かイベントがあると、年休取って逃げてるような気がするんだよな。よねちゃんは、まだここに来て半年しか経ってないからわかんないだろうけど、長年このフロアにいるオイラにはわかるんだ。
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