がんばれ!ノザワくん
翌日。

タカシ課長に連れられて、業者がうちの事務所に入ってきた。

「うわ、こりゃひどい!」

業者が天井裏で叫んでる。

「そんなにひどいですか?」

タカシ課長が下から声をかけると、

「空調の排水パイプ、壊れてますよ~」

とのこと。

なるほど、排水パイプが壊れて、そこから水が出てきたってことか。それにしても、かなりの量だな。昨日、暑かったから、冷房設定温度下げたのが原因なんだろうか。

「直りますかね~」

そう聞くタカシ課長に、

「う~ん、このビル、古いですからね~、部品があるかどうかわかりませんよ。いずれにしても、取り寄せないとならないので、来週の月曜以降になりますね~」

と、業者が言った。

「え、来週ですか」

それを聞いたはとりんも驚いている。

「とりあえず、ここの水、掃除機で吸って、応急処置しておきます。それも、どの程度もつかどうかわかりませんけどね」

業者が持って来たのは、かなり大きい掃除機。ぐおおおお~と、すごい音がする。その音が、事務所の中で響き渡っている。

「ケホコホ」

埃を吸い込んだらしく、よねちゃんが咳込んでる。

「仕事できないんで、離席します~」

よねちゃんは、そう言って、事務所から出て行った。…うがいしに行ったのかな。

それにしても…すごい埃だ。掃除機の排気口から、このフロアの埃全部舞い上げるくらいの風が出てる。空気清浄機がほしいくらいだ。
< 28 / 154 >

この作品をシェア

pagetop