がんばれ!ノザワくん
翌週の月曜日。

久しぶりに、ノザワくんが出勤してきた。

「いや~、話は聞いたよ~!大変だったんだってね~!それで、俺のパソコン、こんなに頑丈にビニールかぶせてあったんだ~!」

…相変わらず、のんきな人だな。

「天井裏の工事、タカシ課長から連絡来ました?」

「う~んとね~、朝イチで連絡があって、部品が取り寄せになるんで、明日工事やるって言ってたよ。でも、応急処置やってくれたんだろ?だったら、今日は大丈夫だろ」

「…そうですかね」

「まあ、この建物は古いからね。ここらでドカンと工事やった方がいいんじゃない?今後のためにも、さ」

ノザワくんは、楽観的に考えてるけど、よねちゃんは不安そうに天井を見ていた。



その1時間後。

ふと、上を見上げると、天井に水滴らしきものが出現した。

あ、落ちる落ちる落ち…

「つめたいっ!」

ノザワくんが、叫んだ。

その叫び声を聞いたよねちゃんが、上を向く。

「…ああ、やっぱり落ちてきましたね」

急いで雑巾を取りに行くよねちゃん。

「ノザワ課長、避難した方がいいんじゃないですか?」

「でも、1滴くらいだったら、大丈夫だろ」

…この期に及んでも、まだ楽観的考えだな、ノザワくん。
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