がんばれ!ノザワくん
「地元の人間でも、知らないと読めないですよ」

と、ヤマ課長が声をかけてきた。ヤマ課長は、群馬出身なので、県内のことはけっこう詳しいんだ。

「ココモの森は、このへんらしいです」

地図を指差す。

「かなり山みたいですね」

ノザワくんは相変わらずのんきだ。

「よねちゃん、行ってみる?」

「え!?なんで、私なんですか!?」

「何事も、経験だよ」

「課長が行けばいいじゃないですか」

「いや、その日は、メーカー見学会で、アフターサポートの人たちと一緒に行かないといけないからさ~」

それを聞いていたはとりんが、

「ここは女性向きじゃないですよ」

と、呟いた。

「え?ハットリさん、行ったことあるんですか?」

「以前、連れて行かれたことがありまして」

「どうでした?」

「山道もさることながら、トイレがないんですよ。だから、女性はやめた方がいいですよ」

よねちゃんは、ほっと胸をなでおろしていた。

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