がんばれ!ノザワくん

課長遅刻、所長年休

ある日の朝。



家が会社から遠いよねちゃんは、たまにギリギリの時間に出勤してくる。

道が混んでいて、時間までにたどり着けないんだってさ。

よねちゃんも、それを見越して、早めに家を出るらしいんだけど、渋滞だけはどうにもできないんだって。

一度、裏道通ったら、その裏道が渋滞していた、ということがあってから、時間の読める大通りを通ってくるようになったらしい。



今日も、よねちゃんは、ギリギリに出勤してきた。

「おはよーございますっ!」

息を切らしてる。駐車場から走ってきたのかな。

「そんなに急いで来ることもないですよ」

8時には既に会社にいるはとりんは、余裕の表情でよねちゃんを見た。

「だって、遅刻寸前だったんですよ!」

いつもなら、ここで、ノザワくんが、「走ると危ないから、ゆっくり来ればいいよ~」と言うのだけど、…そのノザワくんが、いない。

「あれ?課長は?」

「まだ来てないみたいですね」

よねちゃんが首をかしげる。

「今日、所長が取引先に行くって言ってたので、一緒に行ったんでしょうか」

「さあ?そんな話、してましたっけ?」

そこへ、始業のチャイム。

と同時に、ノザワくんが走ってきた。
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