がんばれ!ノザワくん
もちろん、よねちゃんの仕事は、データ入力だけではないので、声をかけてくる人がたくさんいるんだ。

「よねちゃん、切手欲しいんだけど」

「よねちゃん、コピー用紙がなくなったよ」

「よねちゃん、荷物届いたって」

「よねちゃん、社用封筒って、どこにあったっけ?」

「よねちゃん、ソフトのインストールするから、書庫から出して」

ノザワくんは電話会議だし、はとりんは相変わらずタバコ吸いに出かけてるけど…

ソコモの人たち、よねちゃんに頼りすぎ。

よねちゃんは、嫌な顔ひとつせずに、頼まれた仕事をやりつつ、データの入力をしている。



「お、やってるね」

電話会議から戻ってきたノザワくんが、よねちゃんに声をかけた。

「たくさんあって、大変ですよ。まだ、半分くらいしか終わってないんですよ~」

「う~ん、確かに、こんなにあったら大変だね。何枚くらいあるの?」

「数えてないですけど…100枚はあると思いますよ」

「100枚!?それはすごい!」

「でも、まだ、氷山の一角ですから」

必死に入力しているよねちゃんに向かって、ノザワくんは、

「残業やるなら、やってもいいよ~」

と言っていた。

…ノザワくん、今日、ノー残業デーだよ。
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