がんばれ!ノザワくん
「ええっ、2時間!?」

オーノ所長と、アーマ課長が、同時に叫んだ。

「俺、2時間やっても、まだこれだけしか進んでないぞ!」

「俺もそうですよ~」

「今日中に終わるか、わからんぞ、セトウチ」

「あ、俺も」

…どうやら、セトウチさんは、仕事がヒマそうな、所長と課長に頼んだらしい。…確かに、オーノ所長も、アーマ課長も、真面目に仕事やってるかどうかアヤシイからな。ちょうどいいんじゃないか?

「あ、よねちゃんの場合、これ2冊目なんで」

セトウチさんが、アーマ課長の様子を見に来た。

「課長、まだ20件しかできてないんですか?早くしてくださいよ~!」

「そんなこと言ったって、俺はこういう地道な作業が一番苦手なんだよ」

オーノ所長も、似たような件数しかできてないみたいだな。…2時間で20件っていうのも、違う意味ですごいと思うんだけど。

「ところで、なんで俺たちに頼んで、ノザワには頼まないんだ?」

オーノ所長が、ふてくされながら、そう言った。

「ノザワ課長ですか?そりゃもちろん、総括担当は3人しかいませんし、ノザワ課長はきちんと仕事やってますから。よねちゃんがいるから、大丈夫ですよ」

…仕事やってるかな、ノザワくん。

「忘年会の話だけどさ~、当日の買い出しって、誰が行くの?先にホテルのチェックインする人も必要だよね~」

と、忘年会の幹事と、来週の忘年会の相談してるんだけど。これって、仕事か?
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