71





高校最後の夏。




高校最後の試合。





終わりを告げる笛の音が今も耳に残る。








顔をグラウンドに押し付けて



泥にまみれて、涙を隠す。






誰も立ち上がることができなかった。







忘れないよ。




涼くんの姿。





ボールを追い続けた涼くんを・・・・・・




チームの中心として、みんなをまとめてきた涼くん。







誰よりもサッカーが好きで




誰よりもこの日が来る事を恐れていた。









涼くんの夏が終わった。







私の夏も終わった。







西日が眩しすぎて、目を細めた。






涙が溢れたけど、私の涙は涼くんの涙には敵わない。





涼くんは、涙を止めることが出来ず・・・・・・




いつまでもその場所にいた。






< 20 / 71 >

この作品をシェア

pagetop