71
今思えば、高校生だったのにお酒を飲んだっけ。
その夜、同じサッカー部の補欠だった男の子と私の友達と4人でカラオケに行った。
お酒を飲まずにはいられなかったのだろう。
涼くんはずっと笑って、歌ってた。
だけど、一番思い出の詰まった大好きな歌を歌っている時、
突然泣き崩れた。
補欠だった仲間に謝りながら、床に頭をこすり付けた。
「マジで・・・・・・ごめんな。みんな試合出たかったのに・・・・・・俺の足動かんかってよぉ・・・・・・」
・・・・・・響く泣き声。
確か、乗り物のような形をしたカラオケボックスだった。
歌えなくなった曲の伴奏が今もハッキリと耳に残る。