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約束の5分前に現れた涼くんは


私の知ってる涼くんじゃなく・・・・・・




私服姿を見るのは、小学校以来。




緊張と『カッコイイ』って気持ちで体に電気が走ったようだった。





一年中黒い肌の涼くん。




髪を触りながら、



少し急ぎ足で私の元へ・・・・・・





やばい。


まじでかっこよすぎる。





見とれながらも、



私が呼び出したって事は、私が言わなきゃって。



頭ん中グチャグチャになっちゃって。





「あ、急にごめんな」



「あ・・・・・・俺もごめんな」





訳わかんない会話。




涼くんの赤くなる顔をじっと見つめた。






一生忘れたくないって思った。






この告白が



成功しても


失敗しても・・・・・・






今の気持ちと




涼くんのカッコイイ顔。





一生、忘れたくない。








「あんな、もう知ってると思うんやけどな・・・・・・」





酸素が足りなくなって、言葉が続かなかった。





幼稚園くらいの男の子と女の子が、仲良く手を繋ぎながら私達の横を通り過ぎた。












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