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第7章
結婚
涼くん、ごめんね。
平気なフリして笑ってた私を許して。
まだ子供だったから、気付かなくて当然。
私の変化に気付かない涼くんを責めることはできない。
別れの電話を覚えてる?
夜中の3時まで、思い出話に花が咲く。
途中、どうして別れるんだろうって笑ったね。
こんなに好きなのに
こんなに楽しいのにどうして別れるんだろう・・・・・・
そう思いながら
最後の別れの電話。
ずっと不安だったんだ。
片思いだったから・・・・・・
私が頼んで付き合ってくれたんだと思っていた。
涼くんの気持は、私の『好き』に追いつくことはできないって思ってたんだ。
そんな私に
最後に言った涼くんの一言・・・・・・
『一番思い出に残ってるのは、小学校5年で初めて見た時。一目ぼれやった』
それを、
別れるときに言うのは
反則だよ・・・・・・
付き合うときに言うんだよ、そういうことは。
もし、付き合った日にその言葉をもらえてたら・・・・・・
私の3年間、こんなに不安じゃなかった。
もっと言いたいことが言えた。
わがままも言えた。
いつどこかへ行っちゃうかと不安で、
わがままも言えないまま、この日を迎えた。