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翌日から涼くんは酒浸りになったと噂で聞いた。
去るもの追わず・・・・・・が涼くんなんだ。
留学することがなんだって言うの?
信じて待っていれば、きっと涼くんは私の元へ帰ってきたよ。
浮気するような男じゃない。
きっと、誠実に私を愛してくれていたはずだよ。
たくさん愛されていたことを
別れてから気付いた。
見つけたのは、小さな画用紙。
2人で似顔絵を書いて遊んでいたときのものだった。
そこには
『子供』と書かれて、私と涼くんの子供の絵が描かれていた。
その横で子供を叱る私の顔も描かれてた。
何気なく書いていたけど、これはすごいことだったんだと気付く。
そして、裏に
『愛しているよ~ 涼より』
涙がこんなに出るんだって思った。
涙が止まらなくて、どうしていいかわからなかった。
今すぐ涼くんに会いに行って、あの優しい胸に飛び込みたいと思った。
いつでも笑顔で
いつでも優しい人だった。
人の話をいつも真剣に聞いてくれて、
元気のない私を励ましてくれた。