71
『愛してる』と書かれた画用紙を抱きしめて泣いた。
後悔しても遅いって
その時
気付いた。
知らなかったよ。
サプライズの好きな涼くんらしいね。
こっそり書いてくれてたんだね・・・・・・
もし、2人が結婚して、
何年かしてからあの画用紙の文字を見つけたとしたら・・・・・・
私は物凄く幸せ者だったね。
泣きじゃくる私を涼くんが優しく撫でてくれただろう。
「知らんかったん?」
って笑いながら・・・・・・
涼くんは、涼くんの精一杯の愛で私を愛してくれていた。
それなのに、
私自身が臆病で、
不安で・・・・・・
一人で恋愛していた。
恋愛は2人でするものだって
気付いた。
失くしたものは大きすぎた。
失くしたものは
どうあがいても
もう戻らない。
懐かしいあのぬくもりも
優しい眼差しも
いつか違う人のものになる・・・・・・