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『愛してる』と書かれた画用紙を抱きしめて泣いた。





後悔しても遅いって


その時


気付いた。





知らなかったよ。


 


サプライズの好きな涼くんらしいね。





こっそり書いてくれてたんだね・・・・・・







もし、2人が結婚して、




何年かしてからあの画用紙の文字を見つけたとしたら・・・・・・




私は物凄く幸せ者だったね。





泣きじゃくる私を涼くんが優しく撫でてくれただろう。
 



「知らんかったん?」


って笑いながら・・・・・・







涼くんは、涼くんの精一杯の愛で私を愛してくれていた。







それなのに、


私自身が臆病で、


不安で・・・・・・



一人で恋愛していた。







恋愛は2人でするものだって




気付いた。








失くしたものは大きすぎた。







失くしたものは



どうあがいても




もう戻らない。







懐かしいあのぬくもりも



優しい眼差しも





いつか違う人のものになる・・・・・・












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