71
それからも、メールを送れば返事をくれる関係。
涼くんから来ることはない。
『今から焼き芋食べへん?』
珍しく涼くんからのメール。
地元の友達数人と公園で焼き芋パーティーをした。
私は
涙がいつこぼれてもおかしくないくらいに
切なくて
苦しかった。
何気なく隣に立つ涼くんを
見つめてしまう。
懐かしい匂い・・・・・・
懐かしい笑顔・・・・・・
懐かしい大きな笑い声。
友達が冷やかした。
『懐かしい2ショットやなぁ!!てかなんで別れたん?』
『あれから何年?』
『別れても友達ってええなぁ』
吹っ切れてないんだよ。
私は・・・・・・
そんな言葉に涙が出そうになる。
だけど、私は笑顔で言う。
『ええやろ~!』
もう、私の涼くんじゃないんだってわかってるけど、
いつまでも彼女気分が抜けなくて
涼くんが面白いことを言うと私まで嬉しくなったりする。
なかなか火がつかなくて、涼くんが頑張って火をおこしたときも、
なぜだか私が誇らしげな気持ちになったんだ。
すごいやろ?涼くん、みたいな。
もう、私は涼くんの過去の彼女の一人に過ぎないのに。