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きっと
最後の贈り物だね・・・・・・
恋愛の神様からの、プレゼント。
もう会うことができない私達に
偶然をプレゼントしてくれた。
顔を見合わせたまま、2人とも固まった。
地元から1時間以上もかかるこんな場所で会うなんて・・・・・・
「え??」
「え~?マジで?」
2人で大笑いした。
スーツ姿の涼くんを見るのは成人式以来だった。
私のOLファッションを見て、涼くんは笑った。
「え~!!マジで、何やってん?なんでこんなとこおんの?」
涼くんは、開けかけたタバコの箱を持ったまま。
「涼くんこそ、なんでこんなとこにおるん?っていうか、ありえへんよなぁ!」
私は、嬉しくてはしゃいでいた。
自分の瞳の瞳孔が開くのがわかった。
久しぶりの再会に、舞い上がる。
「元気なん?ちゃんと働いてんの?」
涼くんはタバコに火をつけた。
そして、昔と変わらない笑顔で私を見つめた。
変わってないね。
優しい涼くんのままだ。
きっと
一生このまんまだね。
「元気やで~!最近どうなん?」
少しでも長く一緒にいたかった。
こんな偶然はもうないから。
恋愛の神様は
もうこの恋を終わりにしなさいって言ってるんだ。
だからこんなサプライズを用意した。