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彼女の職場の近くにきたから、彼女と待ち合わせして昼ご飯を食べるんだと涼くんは言った。



涼くんらしい。




彼女の喜ぶことをいつも考える優しい涼くん。




私達は子供過ぎたね。




まだ恋愛がどんなものなのかよくわかっていなかった。





だから、


すれ違って、一人で迷路に迷い込んだ。




涼くんは迷った私の手を必死で引っ張ってくれていたのかもしれないね。



今さらまた考える。



もう一度あの頃に戻れたら・・・・・・なんて。





「元気でな!!また飲みにいこうや!いつでも誘ってな!」





涼くんはそう言って、彼女との待ち合わせ場所へ行った。







決して、涼くんから誘ってはくれない。





『いつでも誘ってな』・・・・・・




それはそういう意味。



誘われれば行くけど、涼くんからは誘ってくれない。





きっと



これが




最後。





そう思いながら、涼くんの後ろ姿をいつまでも見つめていた。






ありがと。



本当に



ありがとう。






私は



あなたに恋をして



あなたと一緒に青春を過ごせて



本当に幸せでした。






もう


会えないと思うけど





いつまでも


元気で




いつまでも


そのままの笑顔で





幸せな人生を送ってください。








私は



永遠に


忘れません。





涼くんと出逢ったこと。


涼くんへのこの気持ちがいつか色褪せてしまっても・・・・・・




私の初恋は


いつまでも



キラキラと心の中で



輝き続けるから・・・・・・





ありがとう。









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