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第2章

あなたの幸せ





あなたは覚えていますか?



あのときのキスを・・・・・・




今なら簡単にできるキスが


あんなに遠かったこと。




ほっぺへのキスをしたあなたは、大きく深呼吸したよね。






そして、勇気を出して近づいて・・・・・・



だけど、唇が触れるにはまだ距離があった。





「帰られへんやん。俺・・・・・・どうしよ」


「うん」




高校生の私達にはタイムリミットがある。





12時まで彼女の家にいるなんて・・・・・・絶対許されない。




黄緑色に光る時計を見ながら、2人で大きく息を吐いた。







突然やってきた。






今までの1時間半が嘘だったかのように



あなたの唇が私の唇に触れた。




時間が止まった。





息ができなかった。






お互い初めてで、キスの仕方を知らなかった。





鼻と鼻が当たった。




どこで息継ぎをしていいかわからなかったね。





長い長いキス。




優しいキス。








その時、男の子なんだって感じた。





純粋そうに見えても、ちゃんとキスができるんだ。




何も知らないように見えて、きっとHな知識はちゃんと持ってるんだ。





これから始まる大人の恋を感じた。






唇を離した涼くんは、私を抱きしめて大きく深呼吸した。





真っ暗な中で、顔を見合わせて笑ったね。







私は今もあのキスを覚えています。



はっきりと。


昨日のことのように。





あなたも、まだ覚えていますか?








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