四季〜二人で歩む季節〜
第一章 春
出会った人
[あんたなんか産むんじゃなかった]
ハッとして目を開けてみれば、視界の先には見慣れた天井。
まただ…。
私は何度この夢を見て目を覚ましているのだろう。
暑くもないのに肌はジトリと汗ばんでいて、Tシャツが肌に張り付く。
喉の渇きをおぼえ、ベッドから下り冷蔵庫へと向かう。
開けた瞬間、中の冷気がフワッとかかり、“涼しいなぁ”と単純な事を思った。
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、コクコクと喉に潤いを与えて、そこでやっとため息をついた。
「もう…いい加減にしてよ。」
そんな事を呟いてみても、返ってくる言葉はない。