四季〜二人で歩む季節〜
ベッドに座らされ、レンもあたしの横に座る。
優しく髪を撫でてくれて、あたしは何故だか涙が溢れてきた。
「今日はごめんな、行けなくて。」
まるで小さな子供に話しかけるように、レンは優しい目をしている。
あたしは言葉にならなくて、ブンブンと首を横に振った。
「何かあったのか?」
「…母親と会った。」
「うん。」
「高校卒業してからずっと会ってなかったんだ。」
「うん。」
「あたしの母親ってどうしようもない女で、だからあたしは逃げるようにあの家を出たの。」