四季〜二人で歩む季節〜
過去を思い出してなのか、レンがずっと髪を撫でてくれてるからなのか、わからないけど涙がとめどなく流れてくる。
「物心つく頃にはもう父親は居なくて、母親の男が居た。」
「うん。」
「母親はあたしなんかより男が大事な人でね。
男が居なきゃ生きていけないような人なの。」
「うん。」
「フラれる度にあたしのせいにして、あんたなんか産むんじゃなかったって何度言われた事か。」
「うん。」
「その母親がお金貸してって連絡してきた。
別に貸さなきゃいいだけの話なのに、あたしは渡しに行ったの。
あんなのが母親なんて嫌だし、そんな母親にお金を渡した自分がもっと嫌。」
「うん。」