四季〜二人で歩む季節〜


どうして泣いていたのか、あたし自身もよくわからない。


ただ一瞬、ふと子供の頃に母親と見た花火大会を思い出していた…。


「これからどうします?
何処かお店に入って飲み直します?」

「いや、ここからは別行動にしよう。
ミユ、行くぞ。」

「えっ?
あっ、和香ちゃん、悟くんまたね。」


慌ただしく、レンはあたしの腕を掴んでどんどん歩いて行く。


「もしかして、あの二人をくっつけようとしてるの?」

「別に。
俺が早く帰りたくなっただけ。
今日、泊まってけば?」

「…そうしようかな。」
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