四季〜二人で歩む季節〜
「あんな男はやめときなよ。
ミユさんは知らないのかもしれないけど、いつも違う女を連れて歩いてるよ。」
「知ってる。」
「それなのに、好きなの?」
「しょうがないじゃん。
好きになっちゃったんだから。」
あたしってば、何を言っているんだろう?
こんな話、シゲとするつもりじゃなかったのに…。
何となく気まずい空気が流れて、あたしはビールを一気に飲み干した。
「そろそろ帰ろうか?」
「送ります。」
「タクシーで帰るからいいよ。」
「いや、心配だから送らせて下さい。」
結局、シゲもタクシーに乗り込み、特に会話もせずあたしのアパートの前に到着した。