四季〜二人で歩む季節〜


シゲの胸を軽く押すと、あたしはその腕の中からするりと解放された。


今にも消えてしまいそうな外灯の明かりで、微かに照らされるシゲの顔。


あたしはひとつ深呼吸をして、真っすぐにシゲの目を見た。


「シゲの気持ちは嬉しいけど、あなたとは付き合えない。
ごめんなさい。」

「…そんなにあいつが好き?」

「好き。」

「他の女とヤッてる奴が?」

「それでも…好きなの。」

「そっか。
じゃあ俺は、ミユさんがどんなに傷付いて苦しいってもがいてても、手を差し延べる事は出来ないんだね?」

「…ごめんなさい。」
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