四季〜二人で歩む季節〜
外で待っていてくれたレンの車に乗り込み、キュッと音を立てた車は急発進した。
言葉を発する事も出来ず、ただ涙だけがとめどなく流れてくる。
マンションの駐車場に車を停めても、あたしは動く事が出来なかった。
そんなあたしをレンは車から降ろしてくれて、そして手を引いて部屋まで連れてってくれた。
リビングに足を進めた瞬間、レンは優しくあたしを抱きしめた。
「辛い事させて悪かったな。」
あたしは、レンのその胸でただ首を振るばかり。
今は、苦しいような寂しいような、でもどこか晴れやかな気持ちがしている。