四季〜二人で歩む季節〜


怒るだけ怒って、しまいには涙を浮かべる和香ちゃんを見てあたしは何だか羨ましくなった。


誰かを想って怒ったり泣いたりなんて、もう随分していない。


「あたしは早く彼氏と一緒に暮らしたかったのに。」


和香ちゃんの彼氏は、ハッキリ言ってどうしようもない男。


定職にはつかずその日暮らしをしているような人で、和香ちゃんはそんな彼に生活の援助をしていた。


“そんな男はやめときなよ”って何度も言いたかったけど、それでも和香ちゃんは彼氏の事が大好きなのだ。


だから、あたしが何を言っても聞かないと思うし、何かを言う気もない。
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