四季〜二人で歩む季節〜


同伴をして出勤したあたしに、和香ちゃんがコソッと耳打ちをする。


「うん、大丈夫だよ。」


そう言って、すぐにお客さんの隣についたけど、実際はあまり本調子ではなかった。


それでも毎日の仕事は頑張っていたし、レンがいつも側に居てくれたお陰でなんとかやっていけてた。


段々と冬に近付きつつある、寒い夜。


「ご指名ありがとうございます。
ミユです。」


新規のお客様からの指名を受けた。


挨拶をして顔を上げた瞬間、あたしは息をするのも忘れてしまう。
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