四季〜二人で歩む季節〜


「あんたがもうお金ないなんて言うからでしょ。
本当はあるくせに。
意地悪なんだから。」

「悪いけど、本当にお金ないから。
もうお帰り下さい。」


ため息ばかりが出てしまう。


あたし達のそんなやり取りを見ていた彼氏らしき男は、


「めんどくせ。」


舌打ちをして立ち上がってお店を出て行った。


「捨てられたら、あんたのせいだからね。」


そう一言、母親は吐き捨て男の後を追いかける。


あたしは椅子に座ったまま、頭を抱えてしまった。
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