四季〜二人で歩む季節〜
立ち上がったあたしを見て、レンは光りの方へスタスタと歩いて行ってしまった。
追いかけても追いかけてもレンに手が届かなくて、あたしは一人取り残されてしまった。
ねぇ、行かないで。
「…ミユ!」
レンの声が遠くから聞こえた気がした。
ハッと目を開けてみると、レンがあたしの顔を覗き込んでいる。
「大丈夫か?
うなされてたぞ。」
「レン、あたしを置いて何処にも行かないで。」
夢の余韻で、あたしはレンに抱き着いた。
訳がわからないだろうけど、レンは優しくポンポンと頭を撫でてくれた。
レンを失う怖さは、もう味わいたくなんかない。