四季〜二人で歩む季節〜
手早く水割りを作りそれを内藤さんの前に置き、“あたしももらっていい?”と聞けば彼はコクリと頷いた。
あたしは、ここフェアリのナンバー2キャバ嬢、ミユ。
早く家から出たくて、高校を卒業してすぐにこの世界に飛び込んだ。
あれから1年が経ち、あたしはすっかりこの生活に馴染んでいる。
「ミユさん、お願いします。」
内藤さんと談笑していたあたしに黒服がコソッと耳打ちする。
「ちょっとごめんなさい。」
「はい、いってらっしゃい。」
ヒラヒラと手を振り内藤さんはあたしを送り出した。