四季〜二人で歩む季節〜
「よいしょって…。」
「あ〜、疲れた。」
あたしが苦笑いを向けても真琴は気にもせず伸びをする。
「さて、帰ろうか。」
「そうだね。」
重たい腰を上げ、更衣室に向かい帰り支度を始めた。
4月の夜はまだ寒く、あたしはスプリングコートの前をギュッと閉じた。
「ミユさん、出しますよ。」
送迎の運転手、シゲが声をかけてきたのであたしはそそくさと車に乗り込んだ。
「家の近所のコンビニで降りるわ。」
「待ってますか?」
「ううん、そこからは歩いて帰るからいい。」
「わかりました。」
シゲはつい最近入ったばかりの新人。