四季〜二人で歩む季節〜
「うん、うまい。」
「良かった。」
レンは残す事なく、ペロリと平らげてくれた。
誰かに作るなんてあんまりないけれど、おいしいって食べてくれるのはやっぱり嬉しい。
「俺、ちょっと仕事忙しくなるから、なかなか帰ってこれなくなるかもしれない。」
「そっか。」
その翌日から、レンの仕事が忙しくなって、あたし達はすれ違いの日々を送っていた。
毛布にくるまって寝る程寒くはないけれど、レンの広いベッドに一人は寂しすぎる。
レンに抱かれないあたしは、本当にただの居候でしかないのかもしれない。
もうすぐ暑い夏がやってくる。
以前約束した、レンとの旅行が本当に果たされる日は来るのだろうか。