四季〜二人で歩む季節〜
「いっ、痛いじゃないか!
何なんだね君は!
君はミユの何なんだ!」
森田さんは少しビビリながらも、殴られたであろう人の方を見てわめいている。
その視線を辿ってみれば、そこにはレンの姿。
「レンっ…!」
レンはあたしの声が聞こえていないみたいで、まだ尻餅をついている森田さんの胸倉を掴んで、
「これ以上やられたくないなら、大人しく帰れ。
ミユにももう近付くな。」
低い声でそう言い、手を放した。
その瞬間、森田さんは逃げるように走り去って行った。
「レン!」
咄嗟にあたしはレンに抱き着く。