四季〜二人で歩む季節〜
「そうですね。
店長、すいません。
お先に失礼します。」
「おう、お疲れ。」
急いで外に出て、あたしはレンに駆け寄る。
レンはあたしの手を引いて車まで連れてってくれた。
走り出した車内ではどちらも口を開く事なく、あたしは流れ行く窓の外のネオンを見ていた。
マンションに着き、車から降りたあたしの手を繋いで、レンはエレベーターへと向かう。
抱き合った事はあっても、手を繋ぐ事なんてなかったし、何だかあたしは嬉しいような恥ずかしいような気分になった。
「あいつ、いつもあぁやって待ち伏せてんの?」