四季〜二人で歩む季節〜
あたしの体がもう一つあればいいのに、と今日ばかりは本気で思ってしまった。
少しずつ店内のお客さんが減っていく中、レンと悟くんはラストまで居てくれた。
その頃には、あたしは飲み過ぎて足取りも覚束なくなっていたけど、とにかく楽しくてしょうがなかった。
「ミユさん、レンさんが待ってますから帰りましょ?」
和香ちゃんの声が薄れゆく意識の中聞こえてくる。
さすがのあたしもお店が終わりソファーに倒れ込んでしまった。
「和香ちゃん、ごめんね。
水もらえるかな?」
「ちょっと待ってて下さい。」