アタシと王子様


…―バンッ



「あれ?おかえり…バイトだったの?」



乱暴に玄関のドアを閉めた音に母さんが顔を見せた。


「ううん!あたし晩ご飯いらない!!!」



「え?桃花の好きなハンバーグよ?いいの?」



「……やっぱ食べる」



それだけ伝えて部屋に慌てて戻った。



「ハァ…」



もうバイトに行けない。


もう先輩の顔なんか見たくない。



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