アタシと王子様
「好きな子…?」
涼平に何かと絡んでくる瑠璃を宗助は良くは思っていない。
だからなのか、不安そうに囁いた瑠璃を上目遣いで睨んだ。
「宗助!涼平の好きな子って誰!?」
「知らないよ、中学の時も好きな子にフラれてあんなんなってたから言ってみただけ」
「高瀬先輩もフラれたりするんだ…あんなにカッコいいのに…」
瑠璃の言葉にイラッとしながらも冷静を装いため息をつく。
涼平の外見が好きなだけのバカな女…
他の女もそうだ。
涼平の中身を知ろうともせずに優越感や外見だけで群がって来る。
「あぁなったら何を言っても無駄だからほっといてやりなよ?君も教室に戻れば?」
冷たく言い放った宗助に寂しそうに頷いて教室を出て行った。