アタシと王子様
こういう時どうしていいのか分かんない。
撫でる手が優しくて戸惑ってしまう…
「……スッキリした」
「え?」
顔を上げると目を細め微笑んだ。
「俺さ…あんまり自分から人を好きになったりしないんだけど…桃花ちゃんといると楽しくて…なんていうか…」
「あ…ありがとうございます…」
「まだ…先生が好きなんだよね?」
その言葉に少しの間を挟み頷いた。
「そうだよね…すぐには…忘れられないよ……やっぱり…」
「……」
「送る、帰ろうか」
「はい…」
黙ったまま伸びる影を見つめ家に着いた。