アタシと王子様
あたしの手を取りグイグイ屋上へと向かう階段へ走る。
ただ、前を見て突っ走る先輩を皆が怪訝そうに見ていた。
「先輩!チャイムが鳴りますよ!」
あたしの声に足を止めてゆっくりと振り返った。
「ごめん…無理やり…」
「…平気です…なんか…噂になってるみたいですよ…」
「うん…宗助に話してたら和也が…あ!和也ってのはクラスメイトなんだけど…そいつが瑠璃って一年に話したみたいで…そこから…こう…どんどん…」
「……ハァ」
瑠璃って光が言ってた子だよね…?
「嫌な思いとかしてないよね?」
心配そうな顔をグッと近づけた。