アタシと王子様
「なんて…言ったよね?遠慮はしないって?俺が桃花ちゃんといたいだけだったりして」
「なっ!!??」
さっきまでの真剣な先輩はどこに行っちゃったのよ…
「……一緒にいてくれるのは有難いですけど噂が広まる気がしません…?」
「そうなったら既成事実でも作って桃花ちゃんが逃げられないようにするよ」
「……もぅ」
アハハと笑う先輩が照れ隠しの為に言ってるようには思えない。
「桃花ちゃんは次の授業は何?」
全く関係ない質問を投げかけると足元にあったボロボロのサッカーボールを蹴った。
「……英語?だったかも何ですか?」
「よしっ!秘密の場所でサボり決定だ」
「またぁ〜!!??」
進んでいた方向とは逆に振り返り旧校舎へ歩き出した。