アタシと王子様


「ここでいつもサボってるんだ…」



「そうだねぇ〜…」



ここは今は誰も使っていない旧校舎の屋上。



半年前に新しい校舎に引っ越ししてから全く手入れされていないらしく、ちょっと不気味。



だけど先輩は慣れた感じで開いている窓から中へ入ると埃臭い階段を上り屋上へ進んで行く。



ここをサボり場所として頻繁に使っているのか…



レジャーシートが最初から敷いてあって先輩はその上に横たわり目を閉じた。



「……いい天気ですね」



「そうだねぇ〜…眠…桃花ちゃん…」



「何でしょう?」



「膝枕して♪」



言うが早いか既にあたしの膝に頭を置いている。



「え!先輩!?」



「う〜ん…いい気持ち…」


「……」



それ以上は何も言えず、ただ黙ってフワフワの髪をそっと撫でた。


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