アタシと王子様


…―先輩があたしの為に?


「感謝しなさいよね?居眠りぐらいいいじゃん!!ちゃんとお礼しなきゃ」



「うん……」




あんなマイペースでのんびりした先輩が階段から転びそうになるなんて…―



よっぽど心配だったんだ…


誰かが自分の為に一生懸命になってくれる事がこんなに嬉しいなんて。



「あたし…先輩にお礼言って来る!!!」



「え…ちょっと!桃花!」


何だか先輩に無性に会いたくなった。



光の呼び止める声が聞こえたけど何の返事もせず走り出した。



分かんないけど先輩に会いたい…



それだけの気持ちだけで…―


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