アタシと王子様
「…ただいま」
「おかえりって…家には上がらないのね?お茶ぐらい出したのに」
腕を組みため息をつくとキッチンに戻る母さんの背中を見つめた。
「すぐに下りて来なさいよ?ご飯食べるんでしょ?」
「はーい…」
初めてのバイトで大した仕事はしなかったもののクタクタだった。
慣れないヒールを履いたせいで足も痛い。
「あ"ぁ"ー…疲れた…」
カバンを投げベッドに倒れ込む。
そのまま目を閉じ母さんの言葉を思い浮かべながら意識を手放した。