クリスタルワールド~鏡の世界~
結局その日実桜先生は教室に戻ってこなかった..
心配でしょうがない二人に気づいたのか、龍山サンが事情を聞きに行くと言って実桜先生の所へ向かった。
龍山サンもその後長い間帰って来なかったと言う。
三歳の私たちには遅い時間まで起きて待っていられず寝てしまった。
寝てすぐ龍山さんは帰ってきた。
「なぁ、佐熊。
こうなったからにはやらなきゃだよな…
俺たちの仕事の重みが変わったな…
この子達は大丈夫か。」
「大丈夫さ。
そのために俺たちがいる。
お互いがお互いの主人を守り抜く。
仕事は重くなったが、これも何かの巡り合わせだ。きっと。」
「そうだな。
今まで楽しかったぜ、佐熊。
こうならなきゃ仲良くやれただろうが、巡り合わせならしょうがないな。」
「俺も楽しかった。」
帰ってきた龍山さんと佐熊さんの話など知るよしもなかった。