クリスタルワールド~鏡の世界~
「佐藤。」
「なんでございましょう??」
佐藤はてきぱきと私に衣装を着せながらそう聞いた。
「見付かった??恭亮…」
「…いえ。
申し訳ありません。
じいや様、ばあや様と懸命に探しておりますが…
何しろ王様は今が大事な時期。
みな仕事に追われておりましてなかなかそこまでは。」
「そう…
それもそうよね。
私も王としてやれる事 やらなくてはいけない事が増えてきたものね…
仕方ないわね。
きっと恭亮は今まで以上に厳しい仕事をしているのでしょうね。」
「さようですね。
はい、完成です。
よいお勤めを。」
「ありがとう。
じゃあ、引き続きよろしくね」
「かしこまりました。
それでは失礼します。」
―パタン―
恭亮…
あれほど明るかったあなたは今もあの時のままでいるのかな…
それはムリ…だよね…