クリスタルワールド~鏡の世界~


「佐藤。」



「なんでございましょう??」


佐藤はてきぱきと私に衣装を着せながらそう聞いた。



「見付かった??恭亮…」



「…いえ。
申し訳ありません。

じいや様、ばあや様と懸命に探しておりますが…

何しろ王様は今が大事な時期。
みな仕事に追われておりましてなかなかそこまでは。」



「そう…
それもそうよね。


私も王としてやれる事 やらなくてはいけない事が増えてきたものね…

仕方ないわね。



きっと恭亮は今まで以上に厳しい仕事をしているのでしょうね。」



「さようですね。



はい、完成です。

よいお勤めを。」



「ありがとう。

じゃあ、引き続きよろしくね」


「かしこまりました。

それでは失礼します。」



―パタン―



恭亮…


あれほど明るかったあなたは今もあの時のままでいるのかな…


それはムリ…だよね…












< 44 / 73 >

この作品をシェア

pagetop